ブルーハウスミャンマー通信〜少数民族問題〜
2月16日、アウン=サン=スーチー国家特別顧問のオフィスから、
ラカイン州で行われた少数派民族ロヒンギャに対する
「掃討作戦」が完了したということを声明で発表しました。
ミャンマーは多民族国家です。
国内には100を超える少数民族が存在しています。
政府公認の少数民族は135と言われていますが、
実際にはここに含まれない民族もあると言われています。
今回掃討されたと報じられているのはロヒンギャという民族です。
この民族は20年以上も昔から国内において迫害され、
国際社会からも問題視をされ続けていました。
今回はミャンマーの民族問題について、
少し考えていきたいと思います。
ミャンマー独立と民族問題
ミャンマー(当時のビルマ)がイギリスから独立する際、
新政府の関係者、少数民族の代表者間で少数民族の
自治を認める合意文書が調印されました。
しかし、その内容はほぼ守られることななかったと言われています。
この合意のために尽力をしていたのが、
現在の国家顧問であるアウン=サン=スーチーさんのお父様、
アウンサン将軍です。
1962年のクーデター以降、ミャンマーは軍事政権の道を歩みます。
この軍事政権は少数民族に対して、抑圧的な政策をとり続けていました。
国内のあちこちで、当時のビルマ軍と少数民族の武装勢力が
紛争を続けていて、少数民族側の虐殺や性的虐待などが、
国内外問わず問題になっていたようです。
こうした国軍からの迫害を逃れるために、
多くの少数民族市民が隣のバングラディッシュや
タイなどの外国に亡命したり、
国境付近の難民キャンプなどへ逃れました。
2011年に民政移管されて行った後も、
政権の公約で少数民族問題の解決をうたっていましたが、
国軍で少数民族への攻撃を繰り返していたのです。
こういったことが起こった要因としては、
長年の紛争によって難民となった少数民族市民が帰還することや、
地域格差による差別、コミュニティをどう取り戻すかといった
問題が山積みだったことが挙げられます。
さらに、今回発表されたロヒンギャと呼ばれる人々は、
ムスリムという宗教的な要因も絡んでいるようです。
そのあたりのお話は、また折に触れて学んでいきたいと思います。
いかがでしたでしょうか。
日本ではあまり想像できない問題かもしれませんが、
投資という活動は、投資先の国への干渉です。
金銭的な利益だけを追求するのではなく、
投資先の国がどう発展していくのかも、
しっかりと見据えられる投資家になりたいものですね。
お金は潤滑油として機能して欲しいと
私は常々思います。